2023年1月に突如、Interactive brokersから衝撃的な通知が発出されました。この通知について詳細を問い合わせてみたので記録に残します。
通知の内容
各種法令等の見直しを行った結果、現在ご提供している商品及びサービス内容を変更し、海外市場へのアクセスをIBSJ口座へ集約し、日本国内居住のお客様にはIBSJを通じて国内外上場証券等を直接取引していただくようにいたします。 これに伴い、現在保有いただいておりますIBLLC口座をIBSJ口座へ移管頂くこととなります。
https://ibkr.info/ja/article/4739
詳細は通知文書原文をあたっていただきたいですが、長いので、要点だけピックアップします。
- IBLLCの日本在住者口座は、IBSJに集約される
- IBSJへの移管に同意しない場合、口座移管期間終了後はIBLLC口座で取引不能となり、強制解約される可能性もある
- IBSJ口座では、現状、現物のみの取引しか取り扱いがなく、信用売りポジションやオプションポジション、先物ポジションは強制決済となる可能性あり
- IBSJ口座では、現状、日本円の取り扱いのみ(USDやEURの取り扱いなし)
- IBSJ口座では、株式利回り向上プログラムの提供がない
上記はIBLLC口座のうち、キャッシュ口座保有者に向けて発出されたものですが、今後、ポートフォリオ・マージン口座、マージン口座保有者も同様に強制移管の対象になるとのことです。
オペレーターに確認した内容
Q:ポートフォリオ・マージン口座、マージン口座保有者への通知スケジュールは?
キャッシュ口座保有者には上記の通知が発出されましたが、他のタイプの口座保有者への通知スケジュールに関する情報は見つからなかったので、問い合わせてみました。
A:夏頃通知→移管期限は通知2~3か月後目安
オペレーターの方によれば、ポートフォリオ・マージン口座、マージン口座保有者への通知は夏頃にメール連絡が届く予定とのことでした。
また、ポートフォリオ・マージン口座、マージン口座についても通知が届いてから2~3か月後が移管期限の目安となるのではないか、とのことでしたが、細かい日程については現在不明とのことでした。
ちなみに、キャッシュ口座ではの移管は1月頃にメールが届き、4月17日が移管期限となっていましたので、だいたい同じような日程感となりそうです。
Q:IBSJ移管後の信用売りやオプション、先物取引についてはどうなるのか?
現在、信用取引やオプション取引、先物取引についてはIBSJ口座では取引できないものの、通知の中に今後拡充見込みとの記載がありました。その点について問い合わせてみました。
A:拡充を検討しているものの、現段階では不明
IBSJ口座の信用取引やオプション取引、先物取引対応については拡大を検討しているが、以下のように何も断言できるものはないとのことでした。
- 口座移管前に拡充がなされるかどうかは不透明(オプションや信用売りポジションは移管時に強制決済のおそれあり)
- どの取引についてどの銘柄が拡充されるかも不透明
Q:個人口座だけでなく、法人口座も強制移管の対象か?
法人口座については、移管対象外となっていることも期待して質問してみました。
A:法人口座も強制移管の対象
残念ながら個人口座のみならず法人口座についても強制移管の対象となっていて個人口座と同様のスケジュールで動いているとのことでした。
日本在住者でも口座開設ができる海外証券会社一覧
IBLLC口座でオプション取引など強制決済になると困る方向けに日本在住者でも口座開設ができる海外証券会社をリストアップしておきました。
個人口座
firstrade
TradeStation
SogoTrade
TigerTrade
Saxo
法人口座
<現在調査中です、判明次第追記します>
小言
IBLLCが強制移管に動いたのは、金融庁の意向によるもののようです。
グローバル化が進展する中で、日本は金融鎖国に向かっているのでしょうか・・・
時代の流れに逆行している気がしますね。
金融所得課税も株式とオプション・先物が一体課税になっていない時代遅れの課税方法のままですし・・・
コメント
この後、なにかマージン口座の移管について進展はあったかご存知でしょうか?
野村證券の証券担保ローンと並んで、かなり低い金利なので、魅力的に感じていました。